症例報告~顎関節症
40代 女性
<主訴>顎が開くのに引っ掛かる。
口を大きく開けずらい
時々、口の中の肉をかんでしまう。
過去に当院を他の症状でご来院し完治されたとのことで、
再受診というかたちでお見えになりました。
<触診・視診>
右顎関節に段階をふまないと閉じれなくなっている。
咀嚼筋群の緊張がある。
<治療>
顎関節は、4種類の筋肉によって運動がコントロールされています。
これらの筋肉は、筋肉の緊張状態を感知する筋紡錘と呼ばれるセンサーがない独特な筋肉です。
このため睡眠中の歯ぎしりや噛み締め、緊張時の食いしばりなどの習慣によって、
想像以上に強い負荷が生ずることがあります。 顎の運動をコントロールしている筋肉は、いずれも脳神経(三叉神経)によってコントロールされています。
脳神経系は、運動のコントロールと自律神経作用が混合しているため、
胃腸の不調や精神的なストレスで自律神経が緊張すると、
顎の筋肉や顔面の引きつれなどの運動機能に影響があらわれやすい特徴があります。 このため顎の痛みや顎が開かいなどの症状では、痛みの原因となっている筋肉の緊張を中心に、
自律神経の緊張を含めた全身的な観察と調整が必要になります。
多くの顎関節症は、下顎を左右に動かす筋肉(内側翼突筋)に強い痛みが発しています。
この筋肉は本来、下顎を左右にスライドさせてものをすりつぶすために使われる筋肉です。 下顎を中心に上部の頚椎部や肩口の自律神経節(星状神経節)にあらわれる反射点の緊張を鎮静すると、
痛かった顎が驚くほど軽くなるのが実感にただけると同時に顎が楽に開くようになります。